塩沢の牧之通りは「駅から徒歩5分・半日で回れて・雨でも歩ける」、旅の合間に立ち寄りやすい宿場町。
新潟県南魚沼市の「牧之通り(ぼくしどおり)」は、約600mの通りに雁木の街並み、300年続く酒蔵、古民家カフェがぎゅっと詰まった場所。7月上旬の曇りの日、JR塩沢駅から実際に歩いてきました。木と土壁の落ち着いた匂い、雁木の下のひんやりした空気まで含めて、見どころと立ち寄りスポットを写真付きで紹介します。
この記事でわかること
- JR塩沢駅から牧之通りまでのアクセスと所要時間
- 雁木の街並みや絵馬など、歩いて見つけたい見どころ
- 青木酒造・OHGIYA CAFE・カフェ家など立ち寄りスポットの特徴
- 鈴木牧之記念館の入館料と割引情報
▲ 牧之通り沿いの、趣ある建物
牧之通りとは?塩沢宿の面影を残す全長約600mの通り
牧之通りは、三国街道の宿場町「塩沢宿」の街並みを今に伝える、全長約600mの通りです。
JR塩沢駅から約400m、歩いて5分ほどで到着します。平成23年度には都市景観大賞「都市空間部門大賞(国土交通大臣賞)」を受賞していて、景観の美しさはお墨付きです。
▲ 牧之通りの案内マップ。四季の景色も紹介されている
通りの名前は、江戸時代後期にこの塩沢で生まれた文人・鈴木牧之(すずきぼくし)にちなんでいます。牧之は雪国の暮らしを記録した『北越雪譜』の著者で、通りのあちこちにその足跡が残っています。
▲ 「三國街道 塩澤宿 牧之通り」の看板
牧之通り名物「雁木(がんぎ)」の街並みは圧巻
歩き始めて最初に目を引くのが、建物の前に連なる雁木です。
雁木とは、雪の多い地域で冬でも歩けるように造られた屋根付きの歩道のこと。豪雪地で暮らす人たちの、生活の知恵そのものです。
▲ まっすぐ続く牧之通り。落ち着いた宿場町の街並み
▲ 雁木が続く通り沿いの歩道
私が歩いた日は曇り空でしたが、雁木の下は思ったより明るく開放的でした。意外だったのは、これだけ立派な観光地なのに観光客がまばらで、生活の音(自転車のベル、玄関先の会話)がそのまま聞こえてきたこと。「観光地化した宿場町」ではなく「今も人が暮らす通り」なのだと実感しました。夏は日差しを、冬は雪を防いでくれるので、季節を問わず歩きやすいのもうれしいところです。
一軒ごとに違う絵馬を探しながら歩こう
牧之通りでは、多くの建物の軒先に絵馬が飾られています。絵柄は一軒ごとに違うので、見比べながら歩くだけで飽きません。
私のお気に入りは、鈴木牧之の生涯が書かれた絵馬です。明和7年(1770年)に塩沢宿で生まれ、天保13年(1842年)に73歳で亡くなったことが、味のある筆文字で記されていました。
▲ 鈴木牧之の生涯が記された、お気に入りの絵馬
鶴齢(かくれい)の蔵元・青木酒造
牧之通りのシンボル的な存在が、日本酒「鶴齢」で知られる青木酒造です。
創業は1717年(享保2年)。300年以上にわたり、この雪深い土地で酒造りを続けてきました。仕込みには雪解け水由来の軟水を使い、越後杜氏の技で醸しています。味わいは、新潟らしいすっきり感の中にお米の旨みが残る「淡麗旨口」です。
▲ 日本酒「鶴齢」の蔵元・青木酒造
私が訪れた日は、県内限定販売の「雪男」(1,815円・税込)や、数量限定の「鶴齢の梅酒」が店頭に並んでいました。お酒を飲まない私でも、歴史ある店構えを眺めるだけで来た甲斐がありました。日本酒好きへのお土産なら、ここで決まりです。
ちなみに南魚沼から車で足を延ばせば、十日町・松代エリアで開かれる「大地の芸術祭」も楽しめます。酒蔵さんぽとあわせて巡るなら、松代城の芸術祭作品をめぐった記事もどうぞ。
▲ 県内限定販売の日本酒「雪男」の案内
OHGIYA CAFE(オオギヤカフェ)
青木酒造が手がける古民家風カフェが「OHGIYA CAFE」です。木のぬくもりを感じる店内には、ソファ席や暖炉があり、天気の良い日はテラス席も使えます。
人気はバターを使わないヘルシーなワッフル。外はさっくり、中はふんわりで、罪悪感なく食べられる軽さでした。コーヒーには酒蔵の仕込み水を使った「鶴齢 雪室コーヒー」があり、口当たりがまろやかで蔵元ならではの一杯。ドリンクはテイクアウトもできるので、雁木の下を歩くお供にもぴったりです。
カフェ家(cafe ie.)でランチ休憩
散策の締めに立ち寄りたいのが、古民家カフェ「カフェ家(cafe ie.)」です。
▲ 白い暖簾が目印のお店の入口
ランチは1日3組限定の予約制で、当日11時までに電話が必要です。じつは私も予約を知らずに立ち寄り、ランチは満席でテイクアウトに切り替えました。行く日が決まっているなら、朝のうちに電話しておくのが確実です。フードロス対策として始まった仕組みで、お店の丁寧な姿勢が伝わってきます。メニューはビーフシチュー定食(2,360円)、豚の角煮 味玉付定食(2,280円)、オムライス定食(1,980円)の3種類。すべてデザートとドリンク付きで、支払いは現金のみなので注意してください。
▲ テイクアウトメニューと、並んだ焼き菓子
店内は、知人の家に招かれたようなほっとする雰囲気でした。観光地のカフェというより、地域の暮らしにお邪魔する感覚です。散策のあとに過ごす時間が、とても心地よく感じられました。
▲ 台湾パインがゴロッと入ったロールケーキ
今回はロールケーキをテイクアウト
甘さ控えめでフルーツが大きく
食べ応えがあり大満足でした。
鈴木牧之記念館で雪国文化を学ぶ
牧之通りを歩いたら、通りのすぐ近くにある鈴木牧之記念館にも寄ってみてください。『北越雪譜』の世界や、雪国文化に関する資料が展示されています。
入館料は大人500円、小中高生250円。開館時間は9時〜17時(受付は16時半まで)です。通り沿いの看板にいるキャラクター「ぼくしくん」を撮影して受付で見せると、入館料が2割引になります。私は看板を通り過ぎてから気づいて戻る羽目になったので、通りを歩き始めたら早めに1枚撮っておくのがおすすめです。
▲ 「ぼくしくん」が描かれた鈴木牧之記念館の看板。撮影すると入館料が2割引に
▲ 『北越雪譜』の世界を紹介する解説パネル
▲ 鈴木牧之記念館の建物
牧之通りの基本情報(アクセス・所要時間)
| 所在地 | 新潟県南魚沼市塩沢 |
| アクセス | JR上越線・塩沢駅から徒歩約5分(約400m) |
| 駐車場 | 周辺にあり |
| 所要時間の目安 | 散策のみ約30分/カフェ・記念館込みで半日 |
| 鈴木牧之記念館 | 大人500円・小中高生250円/9時〜17時(受付16時半まで) |
牧之通りについてよくある質問
Q. 雨の日でも歩けますか?
A. はい。建物の前に続く雁木のおかげで、雨天時でも濡れずに歩ける区間が多くあります。
Q. 駐車場はありますか?
A. 通り周辺に駐車場があります。台数には限りがあるため、繁忙期は余裕を持って訪れることをおすすめします。
Q. ペット同伴でも散策できますか?
A. 通り自体は屋外のため散策は可能ですが、酒蔵やカフェなど個別の店舗ではペット同伴の可否が異なるため、訪問前に各店舗へ確認してください。
Q. 所要時間はどのくらいですか?
A. 通りを歩くだけなら約30分、カフェや鈴木牧之記念館を含めると半日ほどが目安です。
まとめ|まずは塩沢駅から歩いてみよう
牧之通りは、宿場町の景色と雪国の知恵、そして地域の暮らしをまとめて感じられる場所です。散策だけなら30分ほど、カフェや記念館まで回っても半日あれば十分に楽しめます。
次の休日は、塩沢駅を起点に雁木の下をのんびり歩いてみてください。一軒ごとに違う絵馬を探しながら歩けば、600mの通りはあっという間です。
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