ボールを転がして音を聞いたり、木の玉が敷き詰められた場所に入ったり。新潟県十日町市の奴奈川キャンパスで、体を使って楽しむアートを見てきました。
学校らしい懐かしさが残る一方で、教室に入るたびに違う体験が待っています。
今回は、2026年10月17日(土)の午前中に一人で訪れた私の体験をもとに、印象に残った作品と、行く前に知っておきたいことを紹介します。
入館料は一般800円(小中学生400円)、駐車場は無料です。私は大地の芸術祭の共通チケットを持っていたので、当日の追加支払いはありませんでした。土曜の10時半ごろに着いたときは待ち時間がなく、館内で約1時間過ごしました。
なお、2026年の春〜秋の公開は11月8日(日)までです。これから行く人は、先に日程を確認しておいてください。
奴奈川キャンパスは、学校を使った「子ども五感体験美術館」
奴奈川(ぬながわ)キャンパスは、2014年に閉校した旧奴奈川小学校を活用した大地の芸術祭の施設です。
公式には「子ども五感体験美術館」と紹介されていて、見るだけでなく、音や手触りなどを通してアートに出会えます。
校舎を歩いていると、教室や階段には今も学校らしい雰囲気が残っています。作品があるのは教室だけではなく、階段や壁にも目が向きました。
私は一人で訪れましたが、自分のペースで作品を眺めたり、気になる仕掛けを試したりしながら見て回れました。
施設の成り立ちや最新情報は、大地の芸術祭公式サイトで確認できます。
土曜日の午前10時半に到着。駐車場も館内も待ち時間なし
当日の天気は晴れでした。
10時半ごろに到着すると、駐車場には車が2台ほどで、空きがありました。館内で見かけたお客さんも、私を含めて5人ほど。作品を見るために並ぶことはありませんでした。
館内で過ごしたのは約1時間です。混雑がなかったので、気になる仕掛けも待たずに試せました。
土曜日でしたが、私が訪れた時間帯は落ち着いて見て回れました。ただし、これは当日の様子です。イベントや団体利用などによって、混み具合は変わると思います。

校庭に置かれていた作品。黄色い案内板が目印です。

晴れた空の下に広がる校庭。奥には家並みと山が見えました。
利用したのは、校舎の出入口付近にある無料駐車場。舗装されていて、白線も引かれていました。

駐車場の様子。路面は舗装されていました。
出入りする部分は少し狭く感じたので、車のすれ違いや歩行者には気を付けたいところです。満車の場合は、現地の案内を確認してください。
1階は、人工芝の感触とボールの動きが面白い
1階でまず印象に残ったのは、足元に広がる緑の人工芝でした。
歩くとふかふかしていて、いつもの学校の廊下を歩く感覚とは少し違います。校舎の中なのに、フィールドを歩いているような気分になりました。
そして、今回いちばん驚いたのが、ボールを転がして遊ぶ仕掛けです。

1階の広い空間。天井が高く、木の造形や長いテーブルが並んでいました。
木琴のような部分で音を鳴らしながらボールが進むものや、すり鉢のような形の中をぐるぐる回るものがありました。
「どこへ転がっていくのだろう」「最後はどうなるのだろう」と、つい動きを目で追ってしまいます。
私には、工夫を凝らした遊び道具のように感じられました。難しい説明を読む前に、動きや音から興味を持てるところが面白かったです。
触れてよい範囲や遊び方は、その場の案内を確認しながら楽しんでください。
教室を巡って印象に残ったアート
給食を思い出す、スポンジの食べ物
教室の机には給食の配膳トレイが並び、その上に食べ物の形をしたスポンジが置かれていました。
机とトレイが並ぶ景色を見ていると、学校で給食を食べていたころを思い出します。「こういう給食があったな」と、少し懐かしくなりました。
ただ、近くで見ると素材はスポンジです。
正直なところ、私にはおいしそうには感じられませんでした。懐かしい給食の風景なのに、食べ物として見ると少し違和感がある。その違いが印象に残りました。

トレイの上に並んだ、スポンジでできた給食。
公式サイトでは、札本彩子さんの企画展「Sponge to Salmon(Nunagawa)」が紹介されています。2026年の会期は4月25日から11月8日までで、祝日を除く火・水曜は休館です。
次にどこから音が鳴るのか、予想できない教室
トンネルのようなところを通った先には、いろいろなものが吊り下げられた空間がありました。
あちこちから音が鳴るのですが、次にどこが鳴るのか、見ている私には予想がつきません。
動画を撮ろうとしても、どこへカメラを向ければよいか迷いました。撮りたいところへ向けたつもりでも、別の場所が気になってしまいます。

白い布と細い木の骨組みでできた、トンネルのような空間。

壁や床いっぱいに、色とりどりの絵や切り抜きの造形が広がっていました。
思いどおりに撮るのは難しかったものの、その予想できなさも面白さの一つでした。
館内には、松本秋則さんと松本倫子さんによる「惑星トラリスin 奴奈川キャンパス」が展示されています。音を生むオブジェなどを通して、架空の惑星を表現した作品です。
「木湯」は、私には足裏への刺激が強かった
木の玉がたくさん敷き詰められた、「木湯(もくゆ)」にも入りました。

床一面に敷き詰められた木の玉。奥には黒板が見えます。
靴を脱いで足を踏み入れると、くるぶしのあたりまで木の玉に埋まるような感覚です。
木のお風呂と聞くと、ゆったり気持ちよく浸かるものを想像するかもしれません。ただ、私の場合は、足裏がかなり痛く感じました。
心地よく浸かるというより、木の硬さや丸さを足で確かめるような体験でした。見た目だけでは分からない感触です。
一方で、置かれていた椅子の座り心地は気に入りました。できることなら家に持って帰りたい、と思ったほどです。

丸みのある木の椅子。窓の光で木目がよく見えました。
「木湯」の公式紹介によると、作者は鞍掛純一さんと日本大学藝術学部彫刻コース有志。感じ方には個人差があるので、無理をせず、自分のペースで楽しんでください。
暗い空間に浮かぶ、色のある光
暗い部屋では、色のある光がガラスに反射して見える作品も印象に残りました。
見る場所によって形の見え方が変わり、立体的に感じられるところもあります。こちらでも、どの角度から写真を撮ろうかと迷いました。
瀬山葉子さんの「Saiyah #2.10」は、回転するガラス板などを使った光の作品です。

床や壁にのびる、赤・青・緑などの色のついた光。
ボールの動きや木の感触を楽しんだ教室とは、また違う雰囲気。校舎の中を移動するだけで、体験が切り替わっていくところが面白かったです。
新聞紙が広がる「除雪式奴奈川姫」
新聞紙が敷かれた空間には、除雪機と人の顔が合体したように見える、大きな作品がありました。

一面の新聞紙の中に立つ、人の顔が見える大きな作品。

こちらも足元に新聞紙が広がる中に、動物のような形の造形がありました。
その姿を眺めながら、私は「足元の新聞紙は、雪の代わりなのかな」と思っていました。
公式の説明でも、新聞紙は雪のように会場へ敷かれていると紹介されています。
関口光太郎さんの「除雪式奴奈川姫」は、奴奈川姫の伝説と除雪車を組み合わせた作品です。
新聞紙という身近な素材で、これだけ大きなものが作られているところも、目を引きました。
子ども連れで行くなら、触れてよい範囲を確認
ボールの動きや音を楽しむ仕掛けなど、子どもと一緒に体験したくなるものがありました。
作品を眺めるだけでなく、「どうなるのかな」と試したり、素材の感触を確かめたりできるところが、子ども連れにも向いていると感じます。
ただし、すべての作品に自由に触れてよいわけではありません。
特に吊り下げられた作品の周りでは、子どもから目を離さず、注意書きやスタッフの案内を確認してください。
服装は普段着で十分だと感じました。靴を脱いで入る展示もあったので、脱ぎ履きしやすく、歩きやすい靴だと移動が楽だと思います。
私が訪れた日は暖かく、長袖Tシャツ1枚でも快適でした。気温は季節や天気によって変わるので、その日に合わせて調整してください。
共通チケット利用で追加支払いなし。ランチは事前確認を
私は大地の芸術祭の共通チケットを持っていたため、当日の入館時に追加の支払いはありませんでした。
施設そのものが入場無料という意味ではありません。 チケットの対象期間や利用条件は、訪問前に確認しておくと安心です。
また、私が訪れたときはランチを利用できず、館内では何も食べませんでした。食事もできればと思っていたので、少し残念でした。
館内には食堂のTSUMARI KITCHENがありますが、十日町市観光協会の案内では、オフィシャルツアーに参加した人だけが利用できる食堂とされています。
個人で車で行く場合は、「行けばそのまま昼食も食べられる」とは考えず、別の食事先を決めておくと予定を立てやすいと思います。
時間があれば、星峠の棚田も候補に
アート鑑賞の前後には、星峠の棚田を組み合わせるのもよさそうです。
校舎の中で作品を楽しんだあとに、外の景色を見る時間をつくると、また違った気分で過ごせると思います。

5月に撮った棚田。水を張った田んぼが、山あいに段々と広がっていました。
ただ、棚田は農作業が行われている場所です。田んぼや畦には入らず、現地の案内を守って鑑賞してください。
季節ごとの状況や冬季の注意点は、十日町市観光協会の案内で確認できます。
奴奈川キャンパスの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 奴奈川キャンパス |
| 住所 | 新潟県十日町市室野576(旧奴奈川小学校) |
| 2026年春〜秋の公開期間 | 4月25日〜11月8日 |
| 開館時間 | 10:00〜16:00(2026年10月〜11月8日) |
| 休館日 | 祝日を除く火・水曜。臨時休館などは公式案内を確認 |
| 入館料 | 一般800円、小中学生400円 |
| 共通チケット | 期間中は大地の芸術祭の共通チケットでも入館可(一部対象外の施設あり) |
| 冬の公開 | 2026年の冬は1月24日〜3月8日の土日祝に公開(10:00〜16:00)。次の冬の日程は公式で確認 |
| 駐車場 | あり(無料)。今回利用したのは校舎の出入口付近 |
| アクセス | 関越自動車道・塩沢石打ICから車で約1時間(目安)/ほくほく線まつだい駅から車で約20分(目安) |
| 所要時間 | 約1時間(今回の滞在時間) |
| 問い合わせ | 「大地の芸術祭の里」総合案内所 025-761-7767 |
| 今回の訪問日 | 2026年10月17日(土) |
| 到着時刻・天気 | 午前10時半ごろ・晴れ |
| 公式情報の確認日 | 2026年11月2日(公開期間・開館時間・休館日・入館料・住所を、大地の芸術祭の期間限定公式サイトで確認) |
展示内容や開館日、料金は変更される場合があります。訪問前に大地の芸術祭公式サイト・奴奈川キャンパスをご確認ください。
学校の懐かしさと、体を使うアートを楽しめた
奴奈川キャンパスでは、学校の雰囲気を感じながら、ボールの動きや音、木の玉の感触、色のある光などを楽しめました。
スポンジの給食は懐かしいけれど、おいしそうとは思えない。木湯は面白いけれど、私には足裏が痛い。
そんな少し意外な感想も含めて、実際に足を運んだからこそ分かったことがありました。
特に印象に残っているのは、1階のボールを使った仕掛けです。動きを追いかけたり、音を聞いたりしていると、作品の楽しみ方を自然に見つけられるように感じました。
子どもと体験を共有したい人にも、一人で自分のペースで見て回りたい人にも、楽しむきっかけのある場所だと思います。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
また次の記事で会いましょうね。
また来てくんねえかーい。
(十日町の言葉で「また来てくださいね」の意味です)

