「写真でよく見るあの窓のアート、実際どうなんだろう?」「行ってみたいけど、半日でどう回ればいい?」
そんなふうに気になって調べている人に向けて書きました。
新潟・越後妻有で開かれる「大地の芸術祭」。その作品のひとつが、緑の田んぼの真ん中にぽつんと窓枠だけが立っている——SNSでよく見かける、あの不思議な景色です。正式名は「たくさんの失われた窓のために」。
この記事では、作品の見どころと楽しみ方を体験ベースで紹介しつつ、近くで一緒に回れるスポットや、車での回り方までまとめます。読み終わるころには、自分の予定に合わせて中里エリアを半日でプランできるはずです。
まず押さえたい|場所・アクセス・回り方
先に実用情報からいきます。ここを知っておくと、当日スムーズです。
場所と行き方
- 所在地:新潟県十日町市(中里エリア。清津川の河岸段丘の上)
- 行き方:基本は車。場所は「桔梗原うるおい公園(十日町市桔梗原キ1463番地1)」内。清津峡渓谷トンネルからは国道353号を通って、車で約15分です(Googleマップの目安)。カーナビには、公式サイトにあるマップコード「253399458*06」が使えます。
- 駐車スペースあり。見晴らしのいい高台です
モデルコース(3スポットは半日、清津峡を足して一日)
この記事で紹介する3スポット(作品・清津川フレッシュパーク・ゆくら妻有)は、車ですぐの距離にかたまっています。この3つだけなら半日で回れます。清津峡は、私はまだ行っていないので、立ち寄り先として名前だけ紹介します。
パターンA:清津峡から出発
- 清津峡(立ち寄り先)
- 車で約15分 → たくさんの失われた窓のために(作品鑑賞・撮影:30分ほど)
- 車で1分ほど(約650m)→ 清津川フレッシュパーク(散策・休憩:30〜60分)
- すぐ隣(約100m)→ ゆくら妻有(温泉:60分ほど)
パターンB:温泉のあとに清津峡へ
- たくさんの失われた窓のために(作品鑑賞・撮影:30分ほど)
- 車で1分ほど(約650m)→ 清津川フレッシュパーク(散策・休憩:30〜60分)
- すぐ隣(約100m)→ ゆくら妻有(温泉:60分ほど)
- 車で約17分 → 清津峡(立ち寄り先)
作品・フレッシュパーク・温泉の3つは、合わせて2〜2時間半ほど。半日あれば、ゆっくり回れます。
車の移動時間は、Googleマップの目安です(通常の交通量、2026年10月15日に確認。清津峡は「清津峡渓谷トンネル」を基準にしています)。混み具合や季節で変わります。清津峡の営業時間や入場の条件は、私はまだ確認していないので、行く前に公式の情報を見てください。
水曜日は、作品が休みの日(屋外の作品は外から見られます)で、ゆくら妻有も定休日です。
【行く前にチェック】公式サイトによると、2026年の公開期間は4月25日〜11月8日で、休みは火曜日と水曜日(祝日を除く)です。休みの日でも、屋外の作品は外から見られると書かれています(2026年10月15日に確認)。年によって変わるので、お出かけ前に大地の芸術祭の公式サイトで最新の情報を確認しておくと安心です。
鑑賞前の注意点
公式に「作品によじ登る行為は禁止」とされています。額縁の下のラインも人の背丈ほどあり、登るのは危険です。あくまで地上から、立つ位置を変えて楽しみましょう。
風でカーテンがからまることがありますが、それが故障を意味するわけではない、と公式にも書かれています。
「たくさんの失われた窓のために」ってどんな作品?
作者・コンセプトをやさしく紹介
この作品を手がけたのは、内海昭子(うつみあきこ)さん。日本人のアーティストです。発表は2006年。
公式サイトでは、窓から見える風景を通して、まわりに広がる妻有の風景をあらためて発見してもらう作品と紹介されています。揺れるカーテンが風を映し出す、とも書かれています。
大きな窓枠を一つ立てることで、その向こうに広がるふつうの田園風景が、まるで一枚の絵のように見えてきます。
特別な景色を作ったわけではありません。もともとあった景色を、窓で「切り取って見せてくれる」作品なんです。
窓枠だけが置かれた、不思議な空間
現地に着くと、芝生の上に大きな窓枠とカーテンだけがぽつんと立っています。
壁も天井もありません。窓だけ。
最初は「これだけ?」と思うかもしれません。でも、その窓の前に立ってみると、印象がガラッと変わります。
清津川を見下ろす高台にあるので、向こうに広がる山や里の眺めは抜群。窓というフレームのおかげで、その景色が急に特別なものに見えてくるんです。
見る角度で景色が変わる|この作品の楽しみ方
この作品の一番のポイントは、見る位置によって景色がまるごと変わること。
ここを知っているかどうかで、楽しさが大きく変わります。
作品の前から、目線を合わせて見る
まずは窓と同じ高さで、正面から見てみましょう。
窓枠の中にちょうど風景がおさまって、絵画のような一枚になります。
立ち位置を左右に少しずらすだけでも、フレームに入る山や家並みが変わります。自分だけの構図を探してみてください。
高さを変えて見比べる
次に、しゃがんで低い位置から見上げてみます。
すると空の面積が増えて、カーテンがより主役に見えてきます。
逆に少し離れて見ると、窓ごしに田んぼの広がりや遠くの山まで、奥行きのある景色に。
同じ場所なのに、立つ位置や高さを変えるだけで何枚も違う「絵」が撮れる。これがこの作品のおもしろさです。
風になびくカーテンも見どころ
窓にはカーテンも付いています。
風が吹くと、このカーテンがふわっとなびきます。高台で風が抜けやすいので、動きが結構大きいこともあります。
止まっている窓枠と、揺れるカーテン。その組み合わせが、なんとも言えない風情を生むんです。
写真もいいですが、ぜひ動画でも残してみてください。風の音と揺れるカーテンで、その場の空気感まで持ち帰れます。

カーテンがなびく窓枠。足元には「N-028」のプレート
あわせて寄りたい|清津川フレッシュパーク
窓の作品を見たあとに立ち寄ったのが、車で1分ほどの「清津川フレッシュパーク」です。

「日帰り利用者用駐車場」の案内(清津川フレッシュパーク)
BBQ・キャンプ・足湯が楽しめる複合施設
ここはキャンプ場も併設された、複合レジャー施設。
バーベキュー、川遊び、足湯、ディスクゴルフなど、いろいろ楽しめます。
バーベキューといっても設備が充実していて、ピザが焼ける窯まであります。
トイレも見た感じきれいだったので、家族連れでも安心して過ごせそうでした。

清津川フレッシュパークの案内板

敷地内にある窯。薪が入っていました

芝生と木々が広がる園内の様子

赤いすべり台のある遊具
敷地内のアート作品「きよっつ」
実はこの施設の中にも、芸術祭の作品が一つあります。
「きよっつ(清津川プレスセンター)」という、三角屋根が連なる個性的な建物です。設計は槻橋修+ティーハウス建築設計事務所。
今は休憩所として使われているようで、中をのぞくとパソコンなどが無造作に置いてありました。緑の中に立つガラスの三角屋根は、写真映えもします。

「きよっつ」の作品プレート(N-058)と三角屋根の壁

三角屋根が連なる「きよっつ」の外観
歩き疲れたら|清津川を望む温泉「ゆくら妻有」
清津川フレッシュパークのすぐ隣には、温泉施設「ゆくら妻有」があります。
アートめぐりで歩いたあとの一風呂に、ちょうどいい場所です。

「ゆくら妻有」ののぼりと、フレッシュパークの案内看板
露天風呂から清津川を望む
ここの自慢は、加熱も循環もしていない源泉かけ流し。
塩化物泉という、体の芯まで温まる泉質です。(塩化物泉=塩分を含み、湯冷めしにくいお湯のこと)
露天風呂からは清流「清津川」が望めて、のんびり癒されます。
ゆくら妻有の施設情報
公式サイトの情報をまとめておきます(2026年10月15日に確認)。
- 営業時間:3〜11月は10:00〜21:00(最終入館20:30)。12〜2月は10:00〜20:00(最終入館19:30)と冬季は短縮されます
- 定休日:水曜日(祝祭日の場合は前日)。年末年始・GWは無休
- 入浴料:大人(中学生以上)800円/子供(小学生以上)400円/未就学児無料
- 所在地:新潟県十日町市芋川乙3267
※おでかけ前に、最新情報は公式サイトでご確認ください。
田植え直後の中里|水鏡の夕景
帰る頃には、ちょうど夕方になっていました。
そこで見た景色が、この日いちばんの思い出かもしれません。
田植え直後の水田と夕景
空はやわらかい夕焼けに染まり、田んぼの水面に夕日が反射していました。
私が行ったのは6月の上旬で、ちょうど田植えを終えたばかりの時期でした。稲がまだ小さいので、水を張った田んぼが鏡のようになります。
そこに夕焼け空が映り込んで、なんとも幻想的な雰囲気でした。

夕日が水面に映る田んぼ(6月上旬の夕方)
訪れる時期で表情が変わる
夏になって稲が育つと、この「水鏡」の景色は見られなくなります。
田植え直後の時期ならではの風景です。
中里エリアは、アートだけでなく、季節の景色そのものが見どころ。同じ場所でも、行く時期によってまったく違う表情を見せてくれます。
まとめ
中里エリアは、半日でアート・遊び・温泉・絶景をぜんぶ楽しめる、欲ばりなコースでした。
- たくさんの失われた窓のために:立つ位置で景色が変わる、内海昭子さんの作品(登るのはNG)
- 清津川フレッシュパーク:BBQや足湯が楽しめる複合施設。中に作品「きよっつ」も
- ゆくら妻有:源泉かけ流しの日帰り温泉でひと休み
- 夕方の水田:6月上旬、田植え直後に見た水面に映る夕景
作品をただ見るだけでなく、「どこから見るか」「いつ行くか」を意識すると、楽しさがぐっと広がります。
中里に行くなら、ぜひ窓の前で立つ位置を変えながら、自分だけの一枚を探してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
/guuu

